2025/08/17

一時間文芸に参加してきました(20250817)

どうも。

今日はKimamasさん主催の「一時間文芸」に参加してきました。

前回は6月に参加さしてもらったので、2か月ぶりの参加になります。

今回の全体テーマは「石」。
個人として、お話の1行目に持ってくる単語は「花火」でした。

一時間で出来上がった作品がこれ

--------------------------------------------------------
ハナビとイシと

「花火?今日は行かないっていったろ?」

「やだやだ、楽しみにしたたんだから、絶対絶対、お父ちゃんといくんだもん。絶対行くって決めてるんだもん!」

「そう言うなよ、今日は行かないっていうか、行けないんだよ。俺だって、タカシと一緒に花火大会行きたいんだけどさ、昨日から腹が痛いんだよ。だから、な、また今度な」

「やだやだ、今度っていつ?来年になっちゃうよ!絶対今日行くんだもん」

「まいったな、ちょっと、母さんからもなんか言ってやってくれよ」

「そうねー、タカシ…男の子なんだから、もっと頑張って!もっとお父さんを励まして!そして花火大会、連れて行ってもらお!ね!」

「おい!母さんまで、何言ってんだよ!」

「だって、この状態で家にいてごらんなさいよ。泣くわ喚くわ、タカシの相手するの大変なんだから。それもこれもあなたがちょっと我慢すればいいことなんだから。今日は絶対絶対花火連れて行ってもらうって決めてるの。ね、雄一郎、男の子なんだから、もっと頑張って!」

「子どもと一緒にするなっての!じゃあ、母さん一人で連れて行ってやれよ」

「えー、やだやだやだー、お父ちゃんとお母ちゃんと3人じゃなきゃいやだー!えーん!」

「あー、わかったよ!いくよいくよ、行きゃいいんだろ!痛み止め飲んどいたから、薬が効いてる間に、ぱっと行ってぱっと帰ってくるぞ!」

そんなこんなで花火大会会場に到着しますと、近郷近在からたくさんの人が集まってごったがえしております。

「うわー、すごい人だな。日本は人口減少してるんじゃないのかよ!日が暮れても暑いし、こりゃ大変だな。
タカシ手を離すんじゃないぞ。
花火が上がるまでにはまだ時間ありそうだな。
さすがお祭りだな、いっぱい出店があるなー。
なんだよ、タカシ、ワタガシ食べたい?あのなー、あれ、原価めちゃくちゃ安いんだぞ?原料なんかスプーン1杯くらいのザラメ、砂糖だぞ?ほとんど袋代なんだから、要らないって」

「ちょっと、あなた、いいじゃないの、そのくらい買ってやりなさいよ!それもこれも含めて夏のお祭りの醍醐味じゃないの!」

「なんだよ、わかったよ!ほら、タカシ、ワタガシ!よかったな。あー、俺は喉が乾いたな、ビールでも飲もうかな」

「ちょっと、あなた、こんなところでビール買ったら高いわよ!?その辺のスーパーで買ったのの2倍以上はするわよ?家の冷蔵庫に缶ビールあったでしょ?要らないって」

「母さん、さっきと言ってることが無茶苦茶なんだよ。いいじゃないか、それもこれも夏のお祭りの醍醐味じゃないのかよ?」

「そもそもね、あなたお腹痛いんでしょ?病院でなんて言われたの?」

「石」

「石?」

「そう、石だよ。尿路結石。」

「結石。なるほど、だから、今日の花火大会も欠席したかったのね」

「くだらないことをいうな。今まで膀胱にあった石が、尿道に下りて来てるんだってさ」

「どのくらいの大きさなの?」

「4.8mm」

「ちっさ。タカシ生んだ時は30cmくらいあったわよ」

「赤ちゃんと一緒にするなよ。5mm以下なら自然に排出されることが多いから、その石が出やすくする薬と痛み止めをもらって終わりだったんだよ。5mmより大きかったら、超音波とかで破砕する処置もとるんだとか」

「その状況でビールなんか飲んでいいわけ?」

「ほら、ビールは利尿作用ってやつがあるから、飲んだ方がいいんじゃないのか?」

「えーっと、今スマホで調べたけど、結石の原因は、シュウ酸、カルシウム、プリン体。。。ビールってプリン体多いんじゃないの?ダメじゃない。水よ、水飲んでればいいの、あなたは」

「つまんねぇな。なんだよ、タカシ、今度はくじ引きやりたいのか?やめとけ、どうせつまらない子供だましみたいなものしか当たらないって」

「ちょっとあなた、いいじゃないの、それもこれも」

「はいはい、夏祭りの醍醐味ね。よーしタカシ、いいの当ててこいよ!…っておい、なんだこれ、6等?一番安いの景品じゃないか。よりによって、女の子用のおもちゃの指輪。え、おかあちゃんにあげるってか」

「あら、うれしいわ。おもちゃでも。そのうち、父さんから、本物のダイヤの指輪買ってもらうから」

「まぁ、そのうちな、そのうち」

「ねえ、知ってる?ダイアモンドって、炭素が地球の熱と圧力でぎゅうぎゅうに圧縮されて、あんな綺麗になってるのよ。そして硬いのよね。あなたの、結石もそのくらい、キレイだったらいいのにね。」

「尿路結石とダイアモンドを一緒にするな」

「そういえば、尿路結石も、相当硬いのもあるし、ウニみたいにとげとげのもあるみたいね。面白いわね。」

「ちっとも面白くない!なんだか、また腹がいたくなってきたぞ」

「あ、おとうちゃん!おかあちゃん、見て!花火!」

「あー、きれいねー」

「どーん!どーん!すごい音!」

「ううう、音の衝撃で腹が痛い…」

「どーん!どーん!やっぱり近くで見ると迫力が違うわねぇ」

「ううう、音が腹に響く、いたい、いたい」

「どーん、どーん、わー、たーまやー!かーぎやー」

「ううう、ううう、あれ?あれれ?おれ、トイレ行ってくる!」

「ちょっとあなた、大丈夫?」

(その後)

「ちょっと、ちょっと、急にいなくなったから心配したわよ。どうしたの?」

「トイレに行ったら、石、出てきたんだよ!コロンって!花火の衝撃で、石が排出されたんだ!いやー、よかったよかった。それもこれも、タカシと母さんのおかげだ」

「そうね、花火を見たいっていう、アタシとタカシの固いイシのおかげね」
--------------------------------------------------------------

まぁ、どうにかこうにか、オチにまでたどり着けてよかったですね...といったところでしょうか。
「石」から「尿路結石」につなげようとは思っていたのですが、当初、花火を見に行くのは未婚のカップルにしようと考えて、1行書いたところで、親子に設定を変えました。
落語でいうと「初天神」を参考にしようと思いたちまして。

花火大会会場についてから「タカシ」の発言が急激になくなるところが、自分でもどうしたものかと思っております。
「タカシ」が生まれてくる時に30cmは大きすぎると思うし、トイレで出てきた「石」をどうやって確認したのか、というもの疑問が残るところです…。

今回は1時間ほとんど止まることなく手を動かし続けて、このぐらいのテキスト量で、ぼくにしては割とたくさんかけた方かなと思っています。

一時間で作品を作り上げるのは、なんだか筋トレみたいで楽しいです。
また折をみて参加させてもらおうと思っております。

0 件のコメント:

コメントを投稿

人気記事

注目の投稿

文子、病院へ

どうも。 昨日から体調悪くて弱ってる文子さん。 今日は病院に連れていかれました。 (細君が連れて行ってくれました) これまで、車で行く距離にしか病院がなくて、なかなか連れていくことができず、また、文子さんは病院で腰が抜けるほどビビるので、病院に連れていくことでストレスによるダメー...