2019/06/09

ネタおろしと演劇と

どうも。

くたくたにくたびれた

今日はお寺で落語をしに行きます。
数年来呼んでいただいているので、かれこれ2年ぶり4回目の高座になります。

場所が遠いので高速道路を使っていきます。
予想以上にスムーズに到着してしまったので、途中で寄り道して時間をつぶしたりします。

今日は細君不在のため、たきさんと2名体制で臨みます。

お寺の法要が終わった後の出番となります。
もう何度か呼んでいただいているので、こちらから特に指示することもありませんでしたが、立派な高座を設えていただきました。


今日はこんな感じ

「加賀の千代」磯丸
俗曲 たき
「やかん」磯丸

しめてぴったり1時間。

このお寺で落語をさせてもらうのはかれこれ4回目です。
ここではすでに「さがや」「時そば」「勘定板」「蒟蒻問答」を投入済みです。
「さがや」についてはすでに2回やってます。

客層を考えると、自作の新作落語は厳しいというのはわかっているので、古典落語でいくのが無難なようです。
時間的に2席やる必要があって、さすがに2席とも以前と同じ落語というわけにもいかないので、まだやったことのない落語を持ってくることになります。

当初は「勘定板」「たがや」の2本立てで考えていました。
「勘定板」は過去に登板したことがあるのですが、もう3年以上前なので、大丈夫かなと思ってのことです。

しかし、当日地元ケーブルテレビの撮影が入ることになったため、「勘定板」は放送に耐えられないかもしれないと考えとりやめ。
また、「たがや」も、お寺でしゃべるのに、人死にの出る噺はいかがなものかと自主規制した結果、どちらも候補から外れてしまいました。

「はて、どうしたものか...」と散々悩んだ挙句、「そろそろ落語のレパートリーを増やしたいからここらでネタおろしをしよう」と思い立ちます。
「ここらで一つ人情噺の一つくらい覚えててもいいかな」なんて殊勝なことを企んだりもしましたが、少し覚えた時点でうまくできそうな気が全くしなかったのでとりやめました。

ほかにもいくつか候補が出ては消え出ては消えと散々悩んだ挙句、今回は「加賀の千代」「やかん」の2席を覚え、2席同時ネタおろしをすることにします。
冷静に考えてみれば2席同時にネタおろしなんかやったことなかったのですが、「なんとかなるやろ」と楽観視をしてしまいます。
5月の連休前には台本は出来上がりました。

ただ、これを覚えようとするのに悪戦苦闘します。
まだ「加賀の千代」はストーリーを追っていけばよいので覚えやすかったのですが、「やかん」がかなりの鬼門でした。
なんせ、「やかん」に出てくる先生は屁理屈を並べ立てるので、ストーリー性もなにもあったもんじゃなく、とにかくセリフを音で覚えていくしかありません。
また、中盤以降の「講釈」部分にかなり手こずります。
「落研に入ったばかりの1年生が覚える落語」という認識だったので、「寿限無の名前の部分と大差はないだろ」とタカをくくっていたのですが、とんでもなく大苦戦です。
まずもって、音源から文字に起こすのに苦心惨憺。何を言っているかは聞き取れてもその意味が分からなかったら頭に入ってこないので、武田信玄と上杉謙信についてあれこれ調べなければならなくなりました。
どうにかこうにか、文字を起こしたものの、今度はそれを講釈風にしゃべってみると全然しゃべれません。
まずもって覚えられないし、覚えてもスムーズに口から出てきません。
相当の練習が強いられて、大変でしたが、流れるようにしゃべれるようになるとだんだん楽しくなってきました。

そんなこんなで、「やかん」に大苦戦しながらも、「加賀の千代」も覚える必要があって、最悪どちらかをあきらめなきゃダメかな、ってぐらいに追い詰められました。
ただ、「加賀の千代」は覚えてみたらあまり「演じる」必要のない落語で、これなら何とかなりそうと判断します。

仕事しているとき以外は常に落語をつぶやいているような状況です。
どうにかこうにか、形になったので本番に挑みます。

本番ではマイクの調節がうまくいってなくて「加賀の千代」の枕がグダグダになってしまったこと。
グダグダ枕から本編に入ってしまったため、本編も落ち着きの名にせわしない滑り出しになってしまったこと。
終盤になんとか持ち直したものの、なんとなくお客さんを置いてけぼりにしてしまった感があってちょっと反省。

続いて「やかん」。こちらは、たきさんの三味線と唄のおかげで、お客さんがかなり「ほぐれて」くれたので、反応もよかったです。
前半のくだらない根問いのシーンも、単純なだけにわかりやすかったのか、結構笑ってもらえました。
心配していた講釈パートについては、講釈の入り口であまりにも力んでしまい、いきなり噛んでしまいましたが、それ以降は流れるようにしゃべれたので、まぁ何とかギリギリ合格点かと思います。
「講釈に入った途端、お客さんがさーっと離れていくぞ!」と学生時代に「やかん」を覚えていたやましたさんから忠告をいただいていましたが、今回は講釈に入ってもお客さんはしっかり聞いていてくれた、と思います。
実際のところ、講釈をしゃべるのにいっぱいいっぱいであんまりお客さんの反応を感じられなかったというのが本音ですけども。

「加賀の千代」のほうが自信があったのですが、ふたをあけれみれば、あまり自信のなかった「やかん」のほうがウケてたという結果になりました。

ひとまず2席ネタおろしも無事におわりホッとしました。

落語会場のお寺を後に、一時帰宅。
ほんの一瞬帰宅したあと、チトセピアホールへ向かいます。
今日はちんどん屋「かわち家」の演劇公演があるので、それを見に行きます。

会場にダッシュで飛び込めばギリギリ開演に間に合ったのですが、さすがに落語2席、高速運転で体力的にも精神的にも消耗してしまったので、このままだと公演中に気を失いかねないと思い、会場には飛び込まずミスタードーナツに飛び込んでドーナツとコーヒーで糖分補給してから、会場へ向かいます。
おかげで冒頭を少し見逃してしまいましたが、それ以降はしっかり見ることができました。

あざみ落語会所属でもある風花ちゃんが「ちんどん」で出演してました。
声が通るし、活舌も店舗もよくて聞いていて気持ちのいいセリフ回しでした。

演劇はとある商店街の中の店舗内での恋愛模様、地域の商店街と大型ショッピングモールの軋轢を描いたコメディでした。
賞味90分くらいの内容でした。単なるコメディではなく、商店街の在り方、ショッピングモールの在り方、ネットショッピングとの付き合い方...。
あれこれ考えさせられる内容でした。



公演がハネたあと、とにかくおなかがすいていて、その辺の焼き鳥屋さんにでも飛び込んでビールと焼き鳥!といきたいところでしたが、このヘロヘロにつかれている中ビールを飲んでぶっ倒れてしまったら困るので、せめてもう少し自宅に近いところで..と考えてひとまず路面電車に乗ります。
長崎駅前で降りて近くで何か食べようと思ったのですが、今日は日曜日のため、営業しているお店のほうが少ないです。
「自宅方面に向かって歩いていたら何かあるだろ」と思ってテクテク歩いたのですが、結局めぼしいお店に巡り合えず。
最終的にはコンビニでカツ丼と野菜ジュースを買って帰宅するという割と最悪に近い晩餐になってしまいました。
こんなことなら、素直に最初に目についた焼き鳥屋さんに飛び込んどきゃよかったなぁ。

ともあれ、ここの所ダイエットのためカロリー摂取制限中だったせいか、今日は完全にエネルギー不足に陥っていて、とにかく高カロリーのものが食べたいと体が欲してしまいます。

家に帰ってカツ丼を食らい、ビールを飲んでやっと落ち着きました。

ここで横になってしまうともう二度と起き上がれなくなるので、勢いで片付けて、風呂に入って寝ます。

もうくたくたです。

1 件のコメント:

  1. >「講釈に入った途端、お客さんがさーっと離れていくぞ!」と学生時代に「やかん」を覚えていたやましたさん
    やましたさん、そんなこと言ったっけ…? 彼の場合は、
    「根問いの時点では、お客さんが遠くにいるのは認識できた。でも、いた。
     それが講釈に入ると、その遠いお客さんがさらに遠くに行った。
     自分の認識できる範囲にはお客さんはいなくなって、自分ひとりになった」です。
    先輩が言ってた「マスターベーションな落語」です。

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