2024/12/21

「おきざりにした悲しみは」原田宗典 読みました

どうも。

おきざりにした悲しみは」 原田宗典著
読みました。

先週書籍で購入して、1週間かけてゆっくり読みました。
とても読みやすい文章だったので、本当は一晩で一気読みしちゃおうかとも思ったのですが、最近無理が効かないお年頃になってしまったので、ぼちぼち読んでいたら1週間かかっちゃいました。

あらすじとかは、オフィシャルサイトに譲るとして、個人的な感想というかなんというか。
・主人公の名前は「長坂誠」、これは友人Nこと長岡さんのもじりなのかな。
・途中に出てきた「米原研一」「城正邦彦」は、友人原研哉さん、久山城正さんのもじりかな。
・城正と温泉に入っている夢を見ているシーンは「大変結構、結構大変」というエッセイ集で、久山さんと九州各地の温泉巡りをしたことが書かれてて、それがもとになってるのかななんて思った。
・犬俣のところに居候していたというくだりは、「メメント・モリ」に似たようなことが書かれていたので、それがもとになっているんだろうな。
・岡山の話は、「17歳だった!」でたくさん読んだことがあったので、なぜだか自分も実家に帰ったかのようだった。別に岡山出身じゃないけど。
・「スメル男」を彷彿とさせるような、そんな展開。
・最後はハッピーエンドで万事丸く収まったのが、とてもよかったと思いました。

そんな感じ。
多分、昔の原田宗典なら、この本のストーリーの半分くらいで止めていたんじゃないかなと思います。
実父の遺骨を届けるために岡山に行って、東京に戻って来た辺で止めて、「どうすんだよ、この状況…」というのを読者に味わわせたんじゃないかな、と勝手に夢想しています。
もしくは、それぞれの思い出を短編にして、短篇集にしたか。

何はともあれ、原田宗典の書き下ろしが読めてよかったと思うし、舞台が2023年であることから、まだ1年くらいしかたっていない「今」読めたことがとてもいい読書体験だったと感じます。

掃除してたら、25年以上前に、原田宗典サイン会に行って、ツーショット写真を撮ってもらったものが出てきました。
色褪せた写真。
原田宗典も若いがぼくも若い…。
緊張して遠慮してたら、ぐいっと肩を寄せてもらえたそんな写真です。

もう一回くらい読み返したいと思います。





4 件のコメント:

  1. >「長坂誠」「米原研一」
    これはN君とH君ですね…と思われますね。
    >原田宗典も若いがぼくも若い…。
    「どっちが年上なの?」と思える1枚。
    尊敬する明治の文豪の「悪いところ」に足を突っ込んでいた原田氏が、
    ちゃんと小説を書いてくれたんですね。
    「おきざりにした悲しみは」書名を覚えておきます。

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    1. >やましたさん
      岩波書店は返本できないんじゃなかったっけ?その辺詳しそうなやましたさん。
      そのせいか近所の小さな書店には扱ってなくて、メトロ書店で入手したんですよね。

      削除
    2. 本当だ、岩波書店ですね…。
      基本的には買い切り。岩波文庫や岩波新書などを扱っている店だと、年にある程度の「返品枠」が与えられ、その金額の枠の中でのみ、返本を受け付けてくれるというシステム…だったかな。
      その返品枠は「本当に店頭に置いていてももう動くと思えない」商品に使われるので、原田氏の本のように「もしかしたら動くかもしれない」本には使われないですね。
      そして本棚の隅で埃をかぶりデッドストックとなり…。
      ってか原田氏、なぜに岩波書店から本を出したんでしょう?扶桑社とか幻冬舎とかじゃないのか…。

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    3. >やましたさん
      流石に書店事情に詳しいw
      2020年の「メメント・モリ」から岩波書店みたいですね。
      「メメント・モリ」については、出版されたことすら知らなくて、気づいたときには書店店頭に置いてなくて、やむなくKindle版を買いました。
      幻冬舎のイメージが強かったんですけどね。

      ↓直近の原田宗典のラジオでのインタビューがあったので載せときます。
      https://www.youtube.com/watch?v=153UlLRUQYM

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