先日、大阪千林の「伝楽亭」にて開催された「やりたいことをやる会」。
主催者がシンガーソングライターのKAN氏の大ファンであることから、KAN氏の"法事"のような様相を呈していましたが、その中で口演された、KANをテーマにした落語がありまして。
その動画は↓で公開されております。
その落語は、ぼくが書きましたので台本置いておきますね。
---------------------------------------------------------------------------
ぷろぷろ・プロポーズ大作戦
小林:「おーい、木村ーいるか―!なんだよ、いるじゃねぇか。カーテンぐらい開けろよ、窓開けろ、外の空気を吸え!こんないい天気の日曜日に引きこもって、しょうがないなぁ。」
木村:「ううう、ポカポカの日曜日がいちばんさびしい」
小林:「辛気臭いこというなよ。最近、お前、元気がないから、会社のみんな心配してんだぞ。大丈夫か?」
木村:「だいじょうぶ ...I'M ALL RIGHT」
小林:「お前、なんだか痩せてないか?ちゃんとメシ食ってるか?今日は何食った?」
木村:「うん、甘海老」
小林:「甘海老?それだけか?」
木村:「あと…ピーナッツ」
小林:「酒のツマミみたいなもんばっかりじゃないか、食欲ないかもしれないけど、もっとしっかりしたもの食えよ。昨日だって、飲みに誘ったのに、さっさと帰っちゃってさ。悩みがあるなら言ってみろよ。俺とお前の仲だろ?」
木村:「る~る~る~、僕は泣く」
小林:「泣くなよ、それじゃわかんないだろ。この間だって、俺が、交通違反で2回も捕まったとき、元気づけてくれただろ?1回目は、ほら、あんときだよ、ちょっと停止線の白線を超えちゃっただけでさ」
木村:「ホワイトライン!指定場所一時不停止」
小林:「そうそう、それから2回目は、ネズミ捕りやってるの知らなくて調子に乗ってスピード出してたら、警察出てきて赤い旗振ってたんだよ」
木村:「レッドフラッグ!一般道路速度超過」
小林:「う、うん、まぁ、それだよ。そん時だって俺の愚痴を聞いてくれただろ、今度はオレがお前の話を聞いてやる番だよ。なにがあった?」
木村:「…プロポーズ」
小林:「は?」
木村:「プロポーズ」
小林:「プロポーズ?は!?お前が?プロポーズ、したの?おいおいおい、奥手だ奥手だと思ってたけど、ちゃっかりしてるなぁ。あ、あれか、この間一緒にいた、あれが?」
木村:「うん…恋人」
小林:「あんまり、最近”恋人”っていわないだろ」
木村:「じゃあ、Girlfriend?」
小林:「そこだけ発音がすごい。”彼女”でいいんだよ。へぇ、お前がねぇ、ずいぶん思い切ったんじゃないか。で、彼女、名前は?」
木村:「まゆみ」
小林:「へぇ…、仕事は何やってるの?」
木村:「REGIKOSTAR」
小林:「レジ子?ああ、あのスーパーとかのレジ打ちか。へぇ、年はいくつ?」
木村:「23歳」
木村:「若いねぇ、うらやましいよ。そういうお前はいくつだっけ」
木村:「小学3年生」
小林:「訳の分からないサバの読み方をするなよ。28だろ。ま、いいんじゃないのか?あっという間に30になっちゃうぞ」
木村:「ガラスの30代?」
小林:「30代を美化するな。そんなきれいなもんじゃないだろ、ほら、こういうのなんていえばいいかな、ほら、あれだよ」
木村:「適齢期?」
小林:「そう、適齢期ってやつよ」
木村:「適齢期LOVE STORY」
小林:「ラブストーリーかどうかは知らないけど、聞いてやるよ、お前の、そののろけ話を。いつから付き合い始めたんだ?うん、春先?あ、あの夜桜の花見イベントの時か!?」
木村:「そう、桜ナイトフィーバー」
小林:「フィーバーしちゃってんじゃねぇか!それから、夏はどうしたんだ?」
木村:「夏?夏は…二の腕発情期?」
小林:「は?なんだそりゃ?二人でどっか行ったりしなかったのかよ?」
木村:「朝日橋」
小林:「朝日橋?ここからすぐ近くじゃないか?何しに行ったんだよ?」
木村:「ホタル?」
小林:「いないだろ!?東京だぞ、中目黒だぞ。海とか行かなかったのか?」
木村:「うん…胸の谷間、丸いお尻が許せない!」
小林:「行ってるじゃねぇか!それでそれで?」
木村:「けやき通りがいろづく頃。秋、多摩川にてプロポーズ」
小林:「おいおいおい!早くねぇか!?なんで多摩川?」
木村:「予定通り偶然に」
小林:「どっちだよ。まぁ、どっちでもいいや、で、どうやってプロポーズしたんだよ?」
木村:「言えずのI LOVE YOU」
小林:「まぁ、そうだろな、お前口下手だからな。で、手紙を渡した?あー、。ラブレター、いいんじゃないのか?なんて書いたんだよ?え?現物のコピーを持ってる?オレ、お前の、そういうところ心配なんだよ。なんだよコピーって。ちょっと、読んでみろよ?」
木村:「世界でいちばん好きな人、まゆみ
恋する気持ち、君から目がはなせない
きみを想う夜、君が好き胸が痛い
今度君に会ったら、今夜はかえさないよ
50年後も、死ぬまで君を離さない」
小林:「重い重い重い!愛が重い!おい、その手紙渡したのか?手紙のほかには?」
木村:「指輪」
小林:「指輪かぁ…あとは?」
木村:「いっちょまえに高級車」
小林:「高級車はムリだろぉ!お前自転車しかもってないじゃん!で、彼女なんて言ってた?うん、ちょっと考えさせて、か…うーん、どうかなー。それから連絡取ってないのか?え?家に会いに行った?でも会ってくれなかった?で、一人で帰って来たのか?」
木村:「うん、星屑の帰り道、星空がcrying。ほっぺたにオリオン。こっぱみじかい恋。僕は泣く」
小林:「気持ちはわかるが、ポエムはやめろ。まぁ、もうしょうがないだろ、いい夢みさせてもらったと思ってあきらめろ。…ん、なんだよ、スマホいじったりして、もう連絡なんか来ないって…え?彼女からLINEが来た?(スマホ受け取る)なんで、オレが読むんだよ?え?こわいのか?答えを聞くのが?しょうがないな、じゃ、読むぞ…ああ(読む)…うん…聞く?答え?」
木村:「おしえておくれー!」
小林:「”この間のお返事、遅くなってごめんなさい。あれからいろいろ考えたけど・・・(溜
める)こんな私でよかったら、これからも、よければ一緒に、よろしくおねがいします。”だってよ!おいおいおい!これってOKってことだろ!」
木村:「うぉおお!キセキ!Happy Time Happy Song!ぼくの彼女はおりこうさん!」
小林:「なんでお前が上から目線なんだよ!よーし、お祝いだパーっとメシでも行こうぜ!おごってやるよ!何食いたい?」
木村:「カレーライス!よければ一緒にやきにくでもいきましょうよ!牛乳飲んでぎゅー!」
小林:「ゲンキンなヤツ、食欲なかったんじゃないのかよ。ま、今日はやめとくか、彼女に会いたいだろ?」
木村:「うん!ひざまくら~うれしい こりゃいい やわらかい~ バイバイバイ!」
小林:「あーあ、いっちゃったよ!指定場所一時不停止、一般道路速度超過に気をつけろよ!…
絶対ダメだと思ってたんだけどなぁ。ホントはみんなわかってた。だから、会社の連中と賭けてたんだよ、木村のプロポーズの結果に。みんな失敗に賭けてたし、オレも失敗に賭けてた。大穴だよ。来月1か月間、勝ったヤツに昼飯おごらなきゃ。あー、負けだ負けだ。くやしいねぇ。やっぱこういう勝負は、最初から結果が決まってるのかも知れないな。
必ず最後に愛は勝つって。」
---------------------------------------------------------------------------
お分かりいただけましたでしょうか...?
基本的に「木村」のセリフはKANの歌の題名だけ喋ってます。
半日くらいで書いた落語なんでこのくらいで勘弁してください。
何か一つの歌をモチーフに落語を作るというのもありっちゃありだったのですが、今回はこんな感じでできるだけまんべんなく(?)曲名を取り入れたつもりです。
まぁ、KAN氏も笑って許してくれるかな。
0 件のコメント:
コメントを投稿