2018/10/18

ブランコとヤドリギ

どうも。

「ヤドリギ」とは…一体…?

「えっ、ぼくが、演劇を、ですか?代役の代役?明日が本番?と、とりあえず、そっち行きますから」

そんな話がある日、ぼくに降りかかってきました。

落語はやってても演劇の経験なんかないし、そもそも「ほかの人と一緒に何かを成し遂げる」という事柄がまったく性に合わないというのが身につまされてわかっているので、断固断るつもりで、指定されたビルの会議室に向かいます。

「断るつもり」なのにも関わらず、Tシャツにジャージという「動きのある演技もOKです」な恰好をしてしまっています。

ぼくは、会議室のドアを開け、部屋に入りながら

「あのですね、ぼく演劇できないっすよ!しかも明日本番って、さすがにムリっすよ!」

と、口に出しています。

中で待っていた劇団主宰シラハマさんは、難しい顔をしていて

「いや。情景がイメージできてないヤツに芝居はできない。本に書かれてる通り『ブランコ』と『ヤドリギ』のある公園に行って、登場人物と一体になれ!」

と、まったくこちらの言うことを聞いていません。

その場にいた劇団員の人と一緒に「『ブランコ』と『ヤドリギ』のある公園」を探しに行くことになります。

「明日本番だというのに、こんなことやってる場合なのか?」と思ったのですが、とても口に出せる雰囲気ではなかったので、ひとまず外に出ます。

あたりは中層マンションが立ち並ぶ住宅地でした。

どのマンションも同じようなクリーム色で、屋根はあずき色。

やたらと道が入り組んでいて、遠くがまったく見渡せません。

ペアになった女性の劇団員オキナガさんという人と一緒に公園を探しますが、公園自体がありません。

そもそも人っ子一人歩いていないし、お店なんかもありません。

空は重く曇っていて、とうとう雨が降ってきました。

雨宿りできる場所を探しているうちに、劇団員オキナガさんとははぐれてしまうし、すっかり迷子になってしまうしで散々です。

やみくもに歩き回っているうちに大通りが見えてきます。

大通りを目指して歩いていると、公園がありました。

ブランコがあります。

でも、「ヤドリギ」がありません。

そもそも、「ヤドリギ」がなんなのか、わかりません。

植物としてのヤドリギなら知っていますが、この場合は「ブランコ」と同列に扱われているので、遊具の一種なのかも知れません。

こんなことなら、劇団主宰シラハマさんにもっと詳しく聞いてくるべきだったと思わなくもないのですが、あの会議室ではそんなこと聞き出せる雰囲気でもなかったので、こうなったら「それっぽいもの」を探すしかありません。

いつの間にか劇団員オキナガさんもこの公園にいて

「これじゃない?」

と、指さす先は、太い丸太に足がついていて、それをジグザグに並べたものでした。

「これ、丸太渡りとかいうヤツですよね。これが『ヤドリギ』なんですかね…?」

とぼくがいうと、

「多分違う。ほかの公園を探さなきゃ」

と言って、劇団員オキナガさんは大通りを渡ろうと交差点の信号待ちをしています。

「ちょっと待ってください。もう時間もないし、いったん戻りましょうよ。『ヤドリギ』はスマホで調べましょうよ」

と、ぼくが提案するも、Tシャツとジャージという恰好で、荷物もなにももっていないことに気づきます。

どうすりゃいいんだよ?と途方に暮れたところで、目が覚めました。


明け方に、こんな夢をみてたようです。


もちろん、起きると同時に「ヤドリギ」について、Googleで検察したのは言うまでもありません。
結局「ヤドリギ」という遊具は見つからず、検索結果は植物ばかりでした。

「ヤドリギ」が一体なんだったのか?
そもそもどういう内容の芝居だったのか?
ぼくに与えられそうになった役はなんだったのか?
肝心なことはさっぱりわからず、ただただ、歩き廻って草臥れた、そんな夢でした。







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