どうも。
職場の忘年会でした。
実は10月に仲間内で飲み会があって、一次会の居酒屋でそんなに飲んだつもりはないのに、ベロベロに悪酔いしてしまったことがありまして。
その時は、お店を出たまでは良かったものの、これは具合が悪くなるタイプの酔っ払い方だと分かったので、フェードアウトするように仲間と別れ、かなりの近距離にも関わらずタクシーで帰宅しました。
その後、自宅で、風呂にも入らずにひっくり返って寝てしまい、本当に具合が悪くなって目を覚まし、トイレから出られなくなるという、苦い思い出があります。
通常は、飲み放題の居酒屋に行っても、それが一次会なら、制限時間内たっぷり飲んでも、酔いつぶれることはないぐらいは酒に強いという自負があったのですが、10月の件ですっかり自信がなくなってしまいまして。
その後、何回か飲み会があったのですが、全体的に酒量をセーブして、守りの姿勢で臨んでいます。
今回の忘年会も、守りの姿勢で一次会をクリア。なんなら二次会はフェードアウトしようかと思ったのですが、流石にそうはいかず、二次会まで参加させてい頂いて帰宅することにしました。
自宅までは歩いて帰れる距離です。
守りの姿勢が功を奏し、多少酔っ払ってはいますが、幸いに正気を保って足取りもしっかりとしています。
従来なら、ここで一人でもう一軒行ってしまうところですが、ぐっとこらえて帰宅します。
ただ、トイレに行きたくなったので、湊公園の公衆トイレに行きます。
本当はコンビニのトイレを借りたいところだったのですが、最近、近辺のコンビニはトイレを貸してくれなくなったので、仕方なく公衆トイレを利用します。
夜中の公衆トイレはちょっと怖いのですが、明るいし人通りも全くないわけではないし、なにより膀胱が限界に近づいています。
小の便器が3つ並んでます。
真ん中のトイレで用を足しているおっちゃんがいます。
小柄で、エメラルドグリーンのウインドブレーカーを着ています。
相当酔っ払っているようで、おしっこしながら立ったまま寝てます。
真ん中のトイレにそのおっちゃんがいるので、必然的に右か左かの隣のトイレを使わざるを得ません。
通常でも、人がいる隣のトイレって使いたくないぐらいで、こんな「異様な状態の人物」の横で用を足すのはちょっといかがなものかと思ったのですが、いかんせん、こちらのおしっこの都合もあります。
できるだけ、そっと、気配を殺して、おっちゃんの横に立ち、用を足し始めたその刹那、
「う、うぉつかれさまれす!」
と、おっちゃんが目を覚まし、ぼくに声をかけてきました。
やばいやばい、おしっこしながら酔っ払いに絡まれてしまっています。
早く用を足し終えてこの場を去りたいのですが、こんな酔っ払っている時なので、おしっこが止まりません。困惑していると…
「どっかれぇ、のんれきたんれすか~?」
もう、ろれつが回っていませんが、「どこかで飲んできたんですか?」といっているのが雰囲気でわかります。
実にステレオティピカルな酔っ払いです。もうなんだか楽しくなってきました。
「え、ええ、忘年会でですね。飲んできたんですよ。そちらは、どこで飲んでたんですか?」
こうなったら刺激しないように穏便に話を続けることにします。
「おれはね、屋台で、のんれた。外で飲むのが、おれは、すきらなっ!」
「ああ、あのラーメンの屋台ですか?」
「そうっ!あそこはね、オレンがあるからね。オレン!」
「オレン…おでんですか、いいですね。おでん!」
「最近、トイレ、、、どこもトイレかしてくれんから、ここは、トイレがちかくて、いいっ!」
「そ、そうですね」
「うぃー!じゃあっ!」
そういうと、おっちゃんはフラフラと絵にかいたような千鳥足で去っていきました。
ぼくは、手を洗って、おっちゃんがどこへ行くのかと観察していたら、どうやら、元の屋台に戻っていったようです。
まだ、飲む気なのでしょうか。
でも、なんだか気のいいおっちゃんだったので、おもわず、後ろをついて行って、屋台で「ご一緒してもいいですか?」って言っちゃおうかとも、一瞬思いましたが、さっき、トイレから出るときにおっちゃんが手を洗ってないことに思い至り、今日のところはやめておくことにしました。
落語に出てくる酔っ払いの演技の参考になって、とてもいい経験だったなと思いました。