どうも。
今日は一念発起して、福岡の九州大学まで「九大祭寄席」を観に行くことにします。
たまたま今日の出番に、以前長崎まで落語をしにきてくれた面々がいるので、天気もいいのでドライブがてらいっちょ行ってみますか!という勢いで早朝から長崎を出発。
いわずもがな、九大は「伊都」にあります。
かつての、ぼくらが慣れ親しんだ「六本松」や「箱崎」ではなく。
細君と娘2号を車に乗せ、高速道路を多久でおりて、唐津を経由して、二丈浜玉なんかを経由して、伊都キャンパスへ。
10年くらい前にも一度伊都キャンパスに来たことはあったので知ってはいたのですが、うーん…やっぱり田舎。
おかげで駐車場が広くて、車で行ってもタダで余裕で停められたのは良かったですけど。
それはよかったのですが、駐車場から大学祭の会場まで徒歩でかなり歩くとになって、これまた大変でした。
「まぁ、六本松と箱崎キャンパスが合体した上で、その端っこから端っこまで歩いた…と思えば…こんなもん…なのかも、知れなくもない」と無理に納得させて歩きます。
天気が良かったからいいものの、天気が悪い時なんかは学生さん、大変だろうなぁ…。
そんなこんなで、会場についたら、なぜかパトカーがとまってます。
…かつてぼくらが現役のころは、ゲバ棒持ってヘルメット被った連中がメガホンで何かを叫んでいたので、もしかして、令和になっても特別点検記念物的にそんな連中が活動しているのか!と胸をときめかせたのですが、流石にそんなわけはなく…
実情としてはこれ↓
九州大は23日、11月2、3日に同大伊都キャンパス(福岡市西区)で行う学園祭「九大祭」について、危害予告があったと発表した。
同大は福岡県警と連携し、警備を強化して九大祭を開催する。同大によると、九大祭の実行委員や職員、来場者らに危害を加える内容だったという。同大は手荷物検査や来場者の事前登録を行うなどして対応する。県警も捜査を進めているという
…ってなわけで、しっかり荷物検査されて、持っていたペットボトルの飲み物はその場で一口飲んで危険物ではないことを確認されたりしました。
まぁ、迷惑極まりない。
どうにかこうにか、入場を許可されたので、目的の落研の寄席会場へ。
今日のプログラムはこんな感じ
最初から最後まで全部観ました。
「幾代餅」
何故にこんな巨大な噺が開口一番に?もしかして仕上がり方で、出番決めが揉めたのかと心配していましたが、そうではなく、どうやら、他のサークルとの掛け持ちがあって、そちらとの時間の都合で、この場所になったようです。
とても上手でした。スケジュールの都合さえ合えば、中主任でも主任でも十分よかったと思います。それぞれの登場人物のキャラクターの”色”をもっと濃くすれば、さらに見ごたえのある落語になると思いました。
「湯屋番」
演者さん、1年生とのことでした。湯屋番って落語は結構難しい落語の部類だと思っているので、乗りこなすのは結構難しかったんじゃないのかなと思います。
でも、しっかり、落語としてできていたので、1年生なのにすごいなと思いました。
放蕩者の若旦那のキャラクター、劇中劇、なんかは難しいところなので、これからもこの落語続けてもらって、3年生くらいになったころに、もう一回聞きたいななんてゼイタクなことを思ってしまいました。
「動物園」
最高。今日見た落語の中で最強に面白かった。
演者さん、韓国出身なのに、よくもここまで面白い落語を持ってきたなぁと思いました。
というか、社会人落語界隈に出没されたら、かなりの脅威になってしまうぞ…と恐ろしくなりました。
ぼくは、しばしば古典落語を改作するのですが、この「動物園」については、そもそもが新作落語的な位置づけにあって、改作する対象とは見ていませんでしたが、今日の動物園を観て、動物園という落語の新たな可能性を見つけた気がします。
この落語を観れただけでも今日来た甲斐があったと思います。
「馬のす」
なんでまた、こんな渋い噺を…?と思ったのですが、なんか、こう、演者にマッチしてて、これが、ジワジワ来る感じで、よかったんですよ。
枝豆を食いまくる間をよく持たせることができるなと感心しました。
柳家喜多八師匠を彷彿とさせるような感じ。
「ももりん」
しっかりまとまった落語で、ちょうどいいサイズ感の良い落語だなって思いました。
丘陽さんはなんどか長崎で落語をやってくれたことがあって、何度か落語を観たことがあったのですが、以前よりも格段にうまくなってるな、って思いました。
もう娘世代なんで、成長しているのを見るにつけ、親心を刺激されちまいます。
よかったよ。
「新聞記事」
元気があってとてもいいです。あとテンポもいい。
なんかこう演者が楽しくやってるのが伝わってきて、こっちも楽しくなってきました。
口跡が三遊亭らっ好さんに似てるのよね。
その後の、大喜利の司会までおつかれさまでした。
大喜利
團母君が、ぼくの大学のころからの友人やましたさんの、若いころに似てる。
「小言幸兵衛」
柊さんは長崎の高校を出てるので応援しております。
(足袋忘れてました?)
これももっと深い出番でもよかったんじゃないのかな?と思ったりしてます。
いきなり下ネタをぶっこんでくるところも、彼女らしくていいなと思いました。
「初音の鼓」
これね、面白かったんですよね。ホンワカした感じの演者さんが割とお武家様みたいな硬めの登場人物を演じるというギャップも面白いなぁって思いました。
個人的な好みを言うと、もっと柔らかめの落語もみたいなと思いました。
与太郎とか子供とか。
「一目上がり」
一目上がり、って落語を聴くたびに、「この落語いつかやりたい」って思うのですが、なかなか実現しないんですよね。
テンポよくこなせててちょうどいい落語でした。
「元犬」
高座名が読めなかったのですが「オクラホマ」って読むんですね。
とにもかくにも犬がカワイイ。多分、演者がカワイイ。
男だけど。
「不動坊火焔」
元気があってよろしいですね。
終始お客さんを離すことなく、最後まで演じててよかったです。
多々良さんも長崎で落語やってくれたのを覚えてますが、その時からするとやっぱり格段にうまくなってました。ちょっとびっくりするくらいに。舞台慣れしたなぁって感じも受けました。また長崎に来てね。ごはんくらいおごるからさ。
「辰巳の辻占」
流石大主任。とてもよかったです。辰巳の辻占の飛び込むシーンの場所の設定が、今まで聞いたことのないパターンだったので勉強になりました。
一番最後の落語だったけど、見ていて疲れないあっさりしてるけど、それでいてしっかり演じられている、とても良い高座だったと思います。
全体を通して、みんな落語上手だなぁ、ちゃんと練習してるなぁとしみじみ感じました。
みんな忙しいのに偉いねぇ。
あと、お手本にしたであろう落語の元ネタが分からないくらいに、自分のものにしているのがとても良いと思いました。
「あ、これは喬太郎ベースだな」「一之輔のくすぐりをそのまま使ってるなぁ」とかそういうのが垣間見えないくらいに、落語を自分のものにできてました。
九大祭寄席は、六本松時代もそうだったけど、外がうるさいんですよね。
だから、人情噺とかしっとり聞かせる落語に不向きなんですよね。
あと、お客さんの出入りが激しいのが、演者さんやりにくかったんじゃないのかな…。
落語の途中で出入りされるとつらいよね…。
ってなわけで、遥々長崎から遠征して、学生の落語しっかりたくさんみれて、なんとなくパワーとモチベーションをもらった感じです。
どうもありがとうございました。